破産手続きとは

 破産とは、債務者(借金をしている人や企業)がその債務を完済することができない状態、または、支払い不能な状態に陥ったときに、その資産を清算し、債権者に対して資産を公平に配分することを目的として行われる法的手続をいいます。今回の記事では、破産手続きの概要について解説いたします。

1. 破産手続

 破産手続が開始されると、債務者は自己の財産を管理する能力を失い、従来、有していた自己の財産に対する管理処分権は、原則として裁判所から選任された破産管財人に専属することとなります(破産法第78条第1項)。

 破産管財人は、破産者から引き継いだ財産(破産財団と言います。)の管理・換価と当該財産をもって債権者に対する公正・公平な返済(配当)を行います。これを「管財事件」といいます。ただし、債務者が配当の対象となるような財産をもっていない場合は、破産管財人は選任されず、直ちに破産手続きが終了します。これを「同時廃止事件」といいます。

2. 破産手続きの仕組み

 破産手続きの主な流れは以下の通りです。

① 破産申立て: 
債務者自身や債権者が裁判所に対して破産を申し立てます。

② 破産手続開始決定: 
裁判所が破産手続きを開始する決定を行います。
この段階で、債務者の財産は原則として処分されることが決まります。

③ 破産管財人の選任: 
裁判所が破産管財人を選任し、債務者の財産を管理し、債権者に対する配当を行う責任を負います。

債権者集会: 
債権者が集まり、債務者の財産の処分や配分方法について話し合います。

⑤ 債権の認否: 
債権者が提出した債権が正当であるかどうかを確認します。

⑥ 財産の清算と配当: 
破産管財人が債務者の財産を売却し、その収益を債権者に配当します。

⑦ 免責許可の決定: 
個人の場合、破産手続きが終了した後、裁判所は債務者の残存する債務を免除するかどうかを決定します。免責が許可されれば、残った借金は支払わなくてもよくなります。

3. 破産手続きを検討するケース

 任意整理の見込みが立たない場合などには、自己破産を検討することになります。
もっとも、借金には利息がつき、時間が経過するほど借金の額が膨れ上がっていくため、破産手続きのタイミングが長引いてしまうとさらに状況は深刻化します。

 借金が膨れ上がってしまった状態で破産手続きをすると、連帯保証人に大きな迷惑をかけてしまうことになりえますし、借金の返済をするために、お金を貸してもらいやすい消費者金融などからお金を借りてしまうと利息が高いので、さらに状況は悪化します。そのため、お困りの際には、できるだけ速やかに弁護士にご相談することをオススメします。

4. まとめ

 当事務所では、ご依頼いただきましたら、まず各債権者に受任通知を発送いたしますので、すぐに督促や取立てが止まります。そして、破産申立てに必要な各種資料を準備し、債権調査と裁判所への申立てを迅速に行います。

 破産は、債務者にとっては重大な決断を伴うものであり、財産を失う可能性があるものの、同時に債務から解放され、再出発の道を開くための重要なプロセスでもあります。また、破産手続きをご検討中の方は、当事務所の弁護士が最適な方法を提案いたしますので、まずはお早めにご相談下さい。

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